2008.01.26
『ブロークン・フラワーズ』、『アメリカ、家族のいる風景』

『ブロークン・フラワーズ』
アメリカ 2005年監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ビル・マーレイ/シャロン・ストーン/ジェシカ・ラング
アメリカ 2005年監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ビル・マーレイ/シャロン・ストーン/ジェシカ・ラング

『アメリカ、家族のいる風景』 DON'T COME KNOCKING
ドイツ/アメリカ 2006年
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:サム・シェパード/ジェシカ・ラング/ティム・ロス
ドイツ/アメリカ 2006年
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:サム・シェパード/ジェシカ・ラング/ティム・ロス
心理学者のレビンソンが用いた「ミドルエイジ・シンドローム」という概念は、40歳前後の年齢が対象になる。
ユングは人生の折り返し地点を40歳と考え、この時期を人生の正午と呼んだ。この正午を過ぎると中年の門をくぐることになる。
なるほど、「中年度」には個人差があるとしても、middle-age=中年については40歳あたりがコアになると考えるのは私たちの常識とも一致する。
それでは、50歳代はどう呼べばいいのか。50歳代も中年でいいのか。中年以上を熟年と呼ぶ提案が一時期なされたが定着したとはいいがたい。中年と高年をひとまとめにした「中高年」の方が今では一般的だろう。しかし、それでは幅が広すぎる。年配の人という言い方は悪くないが、いまひとつ使い勝手がよくない。
老人については、行政は老人年齢を65歳と定めて、年金の支払いも65歳からに変更された。中年と老人はある程度輪郭がはっきりしている。
しかし、40代以上65歳未満はどう呼べばいいのか。50歳代の椅子はどこに用意されているのか。この「谷間世代」やはり初老と呼ぶしかないのか。
エンカルタ百科事典の付録についてきた「小学館 国語辞典 1988」で、初老を調べてみると、
四〇歳の異称。
また、老人の域にはいりかけた年頃。女性では月経閉止期、男性では作業能力が衰えはじめたときから老化現象が顕著になるまでの期間。
とあった。
ウヘッ、40歳を初老はないだろう。いつの時代の話だ?
それ以外は間違ってはいないが、この説明では漠然としすぎていてつかみどころがない。
中年と呼ぶには歳をとりすぎているが、老人と呼ぶにはまだ若すぎる――そのくらいの世代を呼ぶ適当な呼称が日本にはないのだ。これは、おじさん、おばさんと呼ぶか、おじいさん、おばあさんと呼ぶかの問題でもある。つまり大問題である。
2年前来日したリチャード・ギアが、インタビューの中で記者から「中年」と呼ばれて驚いていたのを思い出す。なぜ驚いたのだろう。彼は1949年生まれだから50代後半だった。middle-aged では若すぎるのだろうか。
COUBUILD辞書でmiddle-agedを引いてみると、
If you describe someone as middle-aged, you mean that they are neither young nor old. People between the ages of 40 and 60 are usually considered to be middle-aged.
とある。かなりおおざっぱな説明だが、40-60歳までは中年でかまわないようだ。しかし、世代の呼称は洋の東西を問わず慎重になった方がよさそうだ。
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