2008.04.05
日本の仏教者がチベット問題を語る
以下の引用は、関西テレビ「ぶったま!」に生出演した天台宗の別格本山・書寫山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)の大樹玄承(おおきけんしょう)執事長の声明文である。
(東京在住の私はテレビ番組を見ていない。内容はYoutubeで知った。次々と削除されているので見たい人は早めに。)
葬式仏教と揶揄されてきた日本の仏教者が、今回のチベット問題に関して声を上げたことを評価したい。余談だが、映画「ラスト・サムライ」のなかで、トム・クルーズが渡辺謙を通じて武士道に共感する場面は、この書寫山で撮影されたそうである。
天台宗別格総本山書写山圓教寺大樹玄承執事長よりの声明
解説者の青山繁晴氏の、猛々しくてなれなれしい態度が気になったが、どうやら青山氏の個人的な後押しで実現した今回のテレビ出演だったようなので、よしとしよう。東京のテレビ局はなにをしているのか。
親・中国派の福田政権下でチベット問題は矮小化されている。政府は中国に遠慮して言いたいことも言わないでいる。宗教家が、中国当局の威圧行為にもの申すことが、これだけ勇気を必要とするところをみるとすでに言論の自由は危機的状態にあるのではないか。
言論の自由がある日突然なくなるわけではない。それは戦前も同じだった。序序に外堀が埋められ、次に内堀が埋められて気がついたときは本丸が陥落していたのだ。

中国によるチベット迫害はこの映画でも知ることができる。
ブラッド・ピット主演『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
それにしても、もしウェブが無い時代だったら、東京在住の私は大樹執事長のこの声明を知らないままだったにちがいない。ジャーナリズムの劣化を強く感じる。
(東京在住の私はテレビ番組を見ていない。内容はYoutubeで知った。次々と削除されているので見たい人は早めに。)
葬式仏教と揶揄されてきた日本の仏教者が、今回のチベット問題に関して声を上げたことを評価したい。余談だが、映画「ラスト・サムライ」のなかで、トム・クルーズが渡辺謙を通じて武士道に共感する場面は、この書寫山で撮影されたそうである。
「いま私たち日本の仏教者の真価が問われています。
チベットでの中国の武力行動によって、宗教の自由が失われる事に、心から悲しみと止むに止まれぬ抗議を表明せずにはいられません。私たちはあくまでも宗教者、仏教者として僧侶をはじめとするチベット人の苦しみをもはや黙って見過ごす事ができません。チベット仏教の宗教的伝統をチベット人の自由な意思で守ると言う事が大切な基本です。
皆さんは日本の全国のお坊さんがどうしているのかとお思いでしょう。日本の各宗派、教団は日中国交回復の後、中国各地でご縁のある寺院の復興に力を注いできました。私も中国の寺院の復興に携わりました。しかし、中国の寺院との交流は全て北京(政府)を通さずにはできません。ほとんど自由が無かった。これからもそうだと全国のほとんどの僧侶は知っています。
そして日本の仏教教団がダライ・ラマ法皇と交流する事を北京(政府)は不快に思う事も知られています。あくまでも、宗教の自由の問題こそ重大であると私は考えています。しかし、チベットの事件以来、3週間以上が過ぎてなお、日本の仏教会に目立った動きは見られません。中国仏教会が大切な友人であるなら、どうして何も言わない。しないで良いのでしょうか?ダライ・ラマ法皇を中心に仏教国としての歴史を重ねてきたチベットが今、無くなろうとしています。私たちは宗教者、仏教者として草の根から声をあげていかなければなりません。
しかし、私の所属する宗派が中国の仏教会関係者から抗議を受けて、私はお叱りを受ける可能性が高いし、このように申し上げるのは私たちと行動を共にしましょうという事ではないのです。それぞれのご住職、壇信徒の皆さんがこれをきっかけに自ら考えていただきたいのです。オリンピックに合わせて中国の交流のある寺院に参拝予定の僧侶もいらっしゃるでしょう。
この情勢の中、中国でどんなお話をされるのでしょう。もしも宗教者として毅然とした態度で臨めないのならば私たちはこれから、信者さん檀家さんにどのような事を説いて行けるのでしょう。私たちにとってこれが宗教者、仏教者であるための最後の機会かも知れません。
書寫山圓教寺執事長
大樹玄承
平成20年4月5日」
チベットでの中国の武力行動によって、宗教の自由が失われる事に、心から悲しみと止むに止まれぬ抗議を表明せずにはいられません。私たちはあくまでも宗教者、仏教者として僧侶をはじめとするチベット人の苦しみをもはや黙って見過ごす事ができません。チベット仏教の宗教的伝統をチベット人の自由な意思で守ると言う事が大切な基本です。
皆さんは日本の全国のお坊さんがどうしているのかとお思いでしょう。日本の各宗派、教団は日中国交回復の後、中国各地でご縁のある寺院の復興に力を注いできました。私も中国の寺院の復興に携わりました。しかし、中国の寺院との交流は全て北京(政府)を通さずにはできません。ほとんど自由が無かった。これからもそうだと全国のほとんどの僧侶は知っています。
そして日本の仏教教団がダライ・ラマ法皇と交流する事を北京(政府)は不快に思う事も知られています。あくまでも、宗教の自由の問題こそ重大であると私は考えています。しかし、チベットの事件以来、3週間以上が過ぎてなお、日本の仏教会に目立った動きは見られません。中国仏教会が大切な友人であるなら、どうして何も言わない。しないで良いのでしょうか?ダライ・ラマ法皇を中心に仏教国としての歴史を重ねてきたチベットが今、無くなろうとしています。私たちは宗教者、仏教者として草の根から声をあげていかなければなりません。
しかし、私の所属する宗派が中国の仏教会関係者から抗議を受けて、私はお叱りを受ける可能性が高いし、このように申し上げるのは私たちと行動を共にしましょうという事ではないのです。それぞれのご住職、壇信徒の皆さんがこれをきっかけに自ら考えていただきたいのです。オリンピックに合わせて中国の交流のある寺院に参拝予定の僧侶もいらっしゃるでしょう。
この情勢の中、中国でどんなお話をされるのでしょう。もしも宗教者として毅然とした態度で臨めないのならば私たちはこれから、信者さん檀家さんにどのような事を説いて行けるのでしょう。私たちにとってこれが宗教者、仏教者であるための最後の機会かも知れません。
書寫山圓教寺執事長
大樹玄承
平成20年4月5日」
天台宗別格総本山書写山圓教寺大樹玄承執事長よりの声明
解説者の青山繁晴氏の、猛々しくてなれなれしい態度が気になったが、どうやら青山氏の個人的な後押しで実現した今回のテレビ出演だったようなので、よしとしよう。東京のテレビ局はなにをしているのか。
親・中国派の福田政権下でチベット問題は矮小化されている。政府は中国に遠慮して言いたいことも言わないでいる。宗教家が、中国当局の威圧行為にもの申すことが、これだけ勇気を必要とするところをみるとすでに言論の自由は危機的状態にあるのではないか。
言論の自由がある日突然なくなるわけではない。それは戦前も同じだった。序序に外堀が埋められ、次に内堀が埋められて気がついたときは本丸が陥落していたのだ。

中国によるチベット迫害はこの映画でも知ることができる。
ブラッド・ピット主演『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
それにしても、もしウェブが無い時代だったら、東京在住の私は大樹執事長のこの声明を知らないままだったにちがいない。ジャーナリズムの劣化を強く感じる。
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