2008.04.10
母が入院した

今日も冷たく陰鬱な雨が降っている。四月の雨は心を暗くする。
雨滴が窓ガラスを蝸牛のようにじわじわと這っている。
4階の出窓からは道の遠くまで見える。さっきからウインカーを出しっぱなしの車が駐車していて、その黄色い点滅が蝸牛の向こうに滲んで見える。
赤やオレンジ、黄色の傘を差した女子中学生のグループが道路から姿を消すと、窓外の景色はどれも色を失ってグレー一色になったように感じる。
耳を澄ますと、雨音が窓の外のどこかで、コツ…コツ…コツ…と規則正しいリズムを刻んでいる。

母が入院した。
もう快復することも、病院から家に戻ってくることもない。
電話の向こうの父は、淡々と、しかし断定的な口調で言った。
父の話はいつも短い。結論だけを放り投げるように話す。
冷淡な息子も言葉少なく受け止めた。
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