2008.05.05
冴えないセールスマンが一夜でスターに
いつも楽しませてもらっている「らばQ」に感動的なエントリーがありました。すでに旧聞に属する話題なのでご存じの方もいるかと思いますが、今日初めて目にしたのでリンクします。
冴えない男の才能が発掘されたとき(動画)
子どもの頃はいじめられッ子で、少し前までは冴えない携帯電話のセールスマンだったポール・ポッツ。彼は交通事故に遭い失業し、生活に追いつめられた末、イギリスのタレント発掘テレビ番組に出場する。そのステージでトゥーランドットのナンバー「Nessun Dorma「(誰も寝てはならぬ)」を絶唱し、一夜にして才能を開花させました。
わたしはオペラにまったく興味のない人間ですが、彼の素晴らしい歌声と、劇的な「アメリカン・ドリーム」は何度観てもウルウルします。
これはまったっくもって感動ものです。
Paul Potts (Nessun Dorma)
これは初出場の模様です。
手厳しい批評で鳴る3人の審査員。
『ポール、それで、今日は何をしに来たの!』
とのっけから冷たい挨拶…
『オペラを歌うためです。』
緊張で今にも泣き出しそうな顔のポッツが答えます。
エッ、こいつがオペラを? と顔を見合わせる審査員。
しかしポールが歌い出した瞬間、会場は鳥肌立つ。
そして彼が歌い終わると、感動の大波が襲う。
才能が劇的に花開いた夜でした。
youtube再生回数2400万回という驚異的な数字が感動の深さを物語っています。
「らばQ」に、このあと決勝まで、字幕つきの動画があります。
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Paul Potts - Debut Album ONE CHANCE - MYSPACE
そして、彼は伝説となった。
2008.05.05
松籟。幸せをもたらす風
松籟。
“しょうらい”と読む。
松林を吹き抜ける風、あるいは風がたてる音のことである。
この言葉を野田知佑の「新・放浪記」で最近知った。
長年の疑問がこの言葉で解けたような気がした。松籟のもたらす効用に思い当たる記憶があったからである。
小学の高学年か中学生の頃、ある日わたしは海岸線に沿った松林の木陰にゴザを敷いて昼寝をしていた。記憶は曖昧だが、父母が少し離れた砂浜にいたはずだ。季節は初夏か夏の頃だった。天気はあくまで好天で、青い空に明るい日差しがあふれていた。松林の下でその時わたしはそれまで味わったことがないほど穏やかな気持ちになっていた。目を閉じ、上空を渡る風の音を聴きながら、心の奥底まで満たされていた。その時わたしを満たしていたものは幸福感と呼んでもよいほど甘美な感覚だった。
後年になって、特に楽しいことがその頃あったわけでもないのに、何故あれほど幸福感に満たされた気持ちになったのかがずっと疑問だった。今になって思うとたぶん松籟のせいだったのだろう。子どもの頃からの疑問が解けてすっきりした。それにしてもこんな言葉まであるとは――日本語はすごい。
“しょうらい”と読む。
松林を吹き抜ける風、あるいは風がたてる音のことである。
この言葉を野田知佑の「新・放浪記」で最近知った。
「松籟という言葉がある。松籟、松に吹く風という意味だ。松の木に風が当たると針葉の一本一本が身を震わせて、それが得もいわれぬ落ちついた合唱音になる。その中に身を置くととても心なごむのである。」
長年の疑問がこの言葉で解けたような気がした。松籟のもたらす効用に思い当たる記憶があったからである。
小学の高学年か中学生の頃、ある日わたしは海岸線に沿った松林の木陰にゴザを敷いて昼寝をしていた。記憶は曖昧だが、父母が少し離れた砂浜にいたはずだ。季節は初夏か夏の頃だった。天気はあくまで好天で、青い空に明るい日差しがあふれていた。松林の下でその時わたしはそれまで味わったことがないほど穏やかな気持ちになっていた。目を閉じ、上空を渡る風の音を聴きながら、心の奥底まで満たされていた。その時わたしを満たしていたものは幸福感と呼んでもよいほど甘美な感覚だった。
後年になって、特に楽しいことがその頃あったわけでもないのに、何故あれほど幸福感に満たされた気持ちになったのかがずっと疑問だった。今になって思うとたぶん松籟のせいだったのだろう。子どもの頃からの疑問が解けてすっきりした。それにしてもこんな言葉まであるとは――日本語はすごい。
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