ジャーナリストの上杉隆氏が、地震発生の直後から被災地に入っているウォール・ストリート・ジャーナルの瀬川牧子氏から届いたメールを「上杉隆の東京脱力新聞」に公表している。有料メールマガジンだが非常事態なので無断引用する。
(引用開始)
東北地方太平洋沖大地震発生の直後から被災地に入っているウォール・ストリ
ート・ジャーナルの瀬川牧子氏からメールが届いた。
政府や行政、とくに大手メディアの伝えていることとはまるで正反対の内容で
ある。その後の取材で確認の取れた内容について、本メルマガに一部を転載す
る。
※
主流メディアの報道では、「世界各国から救援物質&食料が届いてる」などと
良い面ばかりが報道されていますが、現場は全く違います。
例えば、3日前に入った宮城県石巻市中心部(主に警察署付近)では、食べ物
がなく、道端で冷凍食品などのゴミをあさっている住民らが大勢います。
スーパー、コンビニ、ATMが強奪されております。政府からの食料は全く届け
られておらず、避難所でも、1日一食しかも、塩おにぎり一個だけ。お腹がす
くので、住民らは津波で窓ガラスなどが割れたヨークなどのスーパーに押し入
り冷凍食品(餃子など)を取っています。
燃料となるガソリンがなく逃げたくても逃げることができないので、難破した
車からガソリンを抜き取るなどの行為も目立ちます。夜になると、犯罪率が横
行するので、危険だそうです。
友人の了解を得て、石巻湾岸地区で、民家に乗り上げた車からガソリンを抜き
取っていた、近くの原発で働いていた高橋さんという男性は、「メディアは、
『各国から支援物資が届いている』などといっているが、メディアの報道と現
実は全く違う。メディアの人に伝えて欲しい、『食べ物がない。まず食料をく
れ!』」と話していました。
そして、石巻市の赤十字病院(高速道路脇の病院=政府は高速道路は封鎖され
ていると伝えているが、実際は、全く問題ない。通訳の私でさえ、何度も東京
から盛岡まで東北自動車道を往復している)、では、食事が全くなく、医師団
でさえ、1日、一食しかもバナナの切れ端を2,3個だけ。
病院内の数百人近くの高齢者は食べ物がなく、このままでは栄養失調か餓死が
懸念される。
(以上メールより引用)